叩く、怒鳴る、水をかける…虐待12件を確認 和歌山・海南市の特養ホーム 県が改善勧告


認知症の高齢者が虐待を受けるケースがまた発生しました。

msn産経westより引用

「調査結果によると、虐待件数は12件で、虐待された人は7人。施設職員が入所者を叩いたケース(1件)のほか、怒鳴る、水をかける、高圧的な態度をとる、排泄の失敗を侮辱するなどの心理的虐待が11件にのぼった。虐待を行ったのは介護職員6人だった。」

この件は施設内の様子を隠し撮りしたことによって発覚したようです。特別養護老人ホームに限らず、施設内での出来事は非常に発見が難しいという問題があります。虐待の被害を受けていた方が認知症であることも問題を難しくしています。どういうことがあったのか、正確に説明できないことが、責任追及を難しくします。

虐待を行った者は介護職員でしたが、この点を熟知していたことでしょう。相手の無知につけこんだ最も忌むべき行為であり、批難を免れません。介護が重労働だった、賃金に見合わなかった、などの言い分はあるかもしれませんが、当然ながら入所者を殴っていいわけではありません。しかしながら虐待を行った者に刑事訴追を行うという報道は現時点で聞かれず、県からの改善勧告に留まっています。

こういった事件は明るみにでるのでしょうか?施設内を隠し撮りすることは相当に踏み込んだ行為です。施設の長は当然許可しないでしょう。また入所者は認知症なので、実質的に許可をすることもできません。まさに個人の判断で隠し撮りを行うしかありません。このような形での事実の露見は実際あまり期待できないところです。

こういったケースの防止にはやはり親族や後見人といった第三者の介在が重要だろうと思います。妙なあざが増えたとか、様子がおかしい、ということをいち早くキャッチすることです。私もイヤな考え方とは思っていますが、常に一定の疑いを持って見る、ということが肝要ではないかと思っています。