被後見人の一人息子の葬儀と埋葬 その2


覚悟は決めたものの、葬儀や埋葬を喪主として行うのは初めての事でした。まず最初に考えねばならないのは、ご遺体をどうするか、ということでした。自宅で突然亡くなっていたという経緯(同居の母親は認知症で事情がわからない)があったため、息子さんのご遺体は警察に運ばれています。この時点で葬儀を行う場所や会社も決まっていないので、警察の検視が終わったら、警察の遺体安置所から、どこかに引き取らなければなりません。ひょっとして一旦私の自宅に引き取る形になるのかな、と思いました。でも引き取るにしても、通常の車では遺体を運べないだろう、また運べたとしても、車から下ろしたあとどのように運ぶのか、という問題もありました。息子さん、結構大柄な方だったんですね。

この件では本当にあちこちに連絡して相談しました。最終的には、懇意の葬儀会社の社長さんにお願いして、一旦預かってもらうことになりました。この時点ではこの葬儀会社さんから葬儀の見積もりももらっておらず、葬儀をお願いするかどうかも定かでなかったのですが、無理を聞いて頂けました。しかも警察の遺体安置所から直接移送してくれました。本当に助かりました。

次に困ったのは、亡くなった息子さんの葬儀をどうするか、ということでした。亡くなった息子さんとは毎月お会いしていたものの、そこで交わされる会話は母親の様子が中心だったので、この息子さんの交友関係やお勤め先、信教なども全く分かりません。父母が既に離婚していて、長らく母子家庭だったこともあり、お墓があるかどうかもわかりませんでした。分からないままに葬儀会社に費用の見積もりを依頼する他ありませんでした。弔問客もほとんど私たちくらいだろう、ということで、家族葬という形で行うことにしました。

しかし、この思惑は大きく外れることになりました。その鍵になったのが、亡くなった息子さんの携帯電話でした。